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保育園の倒産が過去最多!
認可保育園が倒産する理由・前兆と運営会社が取るべき対策などを解説

2026.09.18
保育園の倒産が過去最多!認可保育園が倒産する理由・前兆と運営会社が取るべき対策などを解説

2025年に発生した保育園運営会社の倒産は14件となり、前年から倍増しました。休廃業・解散を含めると46件に達し、過去最多を更新しています。公的な制度で運営される認可保育園であっても、運営会社や法人の経営状態によっては倒産・閉園する可能性があります。

一方で、「保育園は公的な制度に支えられているため、倒産することはないのでは?」「倒産する保育園に見られる予兆はある?」など、疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、保育園の倒産件数や赤字率をはじめ、少子化、園児不足、保育士不足、人件費・運営コストの上昇など、保育園が倒産する理由を解説します。倒産リスクが高まっている保育園の前兆や、運営会社が倒産した場合の園児・保護者・職員とその家庭への影響、経営改善策、廃業を回避するためのM&Aについても紹介します。

目次

保育園の倒産・休廃業は過去最多を更新

少子化によって保育を必要とする子どもの数が減るなか、保育園を運営する事業者の倒産や休廃業・解散が増えています。待機児童対策として保育の受け皿が拡大してきた一方、地域によっては定員に対して利用児童数が不足し、園児の獲得競争が激しくなっているためです。ここでは、近年の保育園倒産の状況や倒産が増えている理由、実際に倒産した保育園のニュースなどについて解説します。

2025年の保育園倒産は14件で前年から倍増

帝国データバンクの調査によると、2025年に倒産または休廃業・解散した保育園運営事業者は、合計46件に達しました。前年の31件から48.4%増加し、年間では過去最多です。

年 倒産 休廃業・解散 合計
2024年 7件 24件 31件
2025年 14件 32件 46件
前年比 100.0%増 33.3%増 48.4%増

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出典:帝国データバンク「『保育園』の倒産・休廃業解散動向(2025年)」

2025年に発生した保育園運営事業者の倒産は14件で、2024年の7件から倍増しています。

ここでいう倒産は、負債額1,000万円以上の法的整理を対象としたものです。破産、民事再生、会社更生、特別清算などが該当し、すべての経営難や閉園を含む数字ではありません。負債額が1,000万円未満の事業者や、法的整理を経ずに事業を停止した事業者は倒産件数に含まれないため、14件だけで保育事業からの撤退状況を判断することはできません。

また、倒産した事業者が運営する保育園が、必ず即日閉園するとは限りません。民事再生や他法人への事業譲渡などにより、運営主体を変更して保育を継続できる場合もあります。

休廃業・解散を含めると46件が市場から退出

2025年は倒産14件に加え、休廃業・解散が32件発生しました。両者を合わせた46件は、前年の31件を15件上回り、48.4%増加しています。倒産件数だけでは、自主的に保育事業から撤退した事業者を把握できません。休廃業・解散には、経営者の高齢化や後継者不在、将来の園児数減少を見据え、債務の支払いが困難になる前に事業を終了するケースも含まれると考えられます。

倒産、廃業、休園、閉園には、次のような違いがあります。

用語 主な意味
倒産 債務を通常どおり支払えず、事業継続が困難になった状態。破産や民事再生などを含む
廃業 経営者や運営法人が自主的に事業を終了すること。必ずしも債務超過とは限らない
休園 一定期間、園の運営を停止すること。再開を前提とする場合もある
閉園 個別の保育園を閉鎖すること。運営法人自体が存続するケースもある
休廃業・解散 法的整理を除き、特段の手続きを取らずに企業活動を停止した状態、または商業登記などで法人の解散が確認された状態。みなし解散は含まない。

「倒産」は法律上の正式な用語ではなく、調査会社によって集計基準が異なる点にも注意が必要です。また、運営法人が倒産しても別法人が園を引き継ぐ場合がある一方、法人が存続したまま一部の園だけを閉鎖することもあります。

待機児童が減る一方で保育園の倒産が増える理由

保育園の倒産が増えている背景には、待機児童対策による受け皿の拡大と少子化が同時に進んだことがあります。

指標 2024年4月1日 2025年4月1日 増減
保育所等の利用定員 3,044,678人 3,029,282人 約1.5万人減
利用児童数 2,705,058人 2,678,417人 約2.7万人減
待機児童数 2,567人 2,254人 313人減
定員充足率 88.8% 88.4% 0.4ポイント低下

出典:こども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ(令和7年4月1日)」

こども家庭庁によると、2025年4月1日時点の保育所等の利用定員は303万人、利用児童数は268万人でした。定員充足率は88.4%で、前年から0.4ポイント低下しています。待機児童数も2,254人まで減少しました。待機児童はピークだった2017年の2万6,081人から大幅に減少しました。一方、2025年は利用定員の減少幅よりも利用児童数の減少幅が大きく、全国平均の定員充足率も低下しています。

ただし、待機児童がいる都市部と、定員割れが深刻な地域が併存しているため、全国一律に保育施設が余っているわけではありません。同じ自治体内でも、駅に近い園や保育時間の長い園に希望が集中する一方、立地や保育内容によって園児を確保できない園が生じる場合があります。保育園経営では、地域全体の人口だけでなく、年齢別人口、住宅開発、競合園、保護者の就労状況などを細かく分析する必要があります。

保育園運営会社の倒産ニュース例

保育園の経営悪化は、園児や保護者、職員に大きな影響を与えます。一方、経営難になったすべての法人が法的倒産に至るわけではなく、突然の事業停止や閉園、他法人への承継となるケースもあります。ここでは、その違いに注意しながら事例を紹介します。

つくばインターナショナルナーサリースクールの突然の閉鎖

茨城県つくば市の認可外保育施設「つくばインターナショナルナーサリースクール」は、2021年11月に突然閉鎖されました。報道によると、十分な説明を受けないまま預け先を失った保護者から、市へ相談が寄せられています。

運営会社は事業停止後、自己破産申請の準備に入ったと報じられました。ただし、確認できる情報だけでは、その後の法的手続きや負債額の詳細まで断定できません。そのため、「破産した保育園」とするのではなく、経営問題による突然の事業停止・閉鎖事例として扱うのが適切です。

この事例からは、認可外保育施設の突然の閉鎖が、園児の保育環境や保護者の就労に直接影響することが分かります。

参考:毎日新聞「認可外保育施設が突然の閉鎖、保護者から戸惑いの声」

社会福祉法人ライトの経営悪化による閉園

社会福祉法人ライトが三重県津市で運営していた「美里さつき保育園」は、法人の経営悪化を背景として2023年6月末に閉園しました。

その後、別の社会福祉法人が土地と園舎を取得し、2024年4月に「あいうえお保育園」として開園しています。旧園に通っていた園児の一部も、新しい園で受け入れられました。

この事例は法的倒産の事例というより、経営悪化による閉園後、別法人への承継によって地域の保育機能が再建された事例です。元の運営法人が事業を継続できなくても、土地・建物や職員体制などを他法人が引き継ぐことで、保育サービスを残せる場合があります。

出典:福祉新聞「突然閉園の保育所、別法人の運営で再開(津市)」

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保育園が倒産する主な理由

保育園が倒産する理由は一つではありません。少子化や園児獲得競争、人材不足、コスト上昇などが重なり、収益性と資金繰りが徐々に悪化するケースが一般的です。

また、認可保育所は公定価格や補助制度によって収入が一定程度支えられていますが、園児数や職員配置、加算の算定状況によって実際の収入は変わります。安定した収入が保証されているわけではありません。

ここでは、保育園が倒産する代表的な8つの理由について解説します。

少子化によって園児数が減少している

少子化による就学前人口の減少は、保育園経営に大きな影響を与えます。子どもの数が減れば、共働き世帯の増加や保育ニーズの多様化が進んでも、地域全体で保育園を利用する園児数が減少する可能性があります。

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出典:こども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ(令和7年4月1日)」

2025年4月1日時点では、保育所等の利用児童数が前年から2.7万人減少しました。園児数が減っても、園舎の賃料や減価償却費、園長・主任の人件費、給食設備の維持費などは同じ割合では下がりません。そのため、定員割れが続くほど園児1人当たりの固定費負担が重くなります。

少子化の影響には地域差もあります。子育て世帯の転入が続く地域では保育需要が維持される一方、人口減少地域では複数の園が限られた園児を取り合う状況も生じています。自治体の人口推計や出生数を確認し、数年先の需要を見据えた定員設定が必要です。

少子化と今後の保育経営については、以下の記事も参考にしてください。

▶︎骨太の方針2026が示す保育業界の未来 ~人口減少時代の保育経営とM&A戦略を保育M&Aアドバイザーが読み解く~

保育施設の増加で園児獲得競争が激化している

待機児童対策が進められた時期には、認可保育所や認定こども園、地域型保育事業など、保育の受け皿が拡充されました。しかし、少子化によって利用児童数が減少し、地域によっては既存の利用定員に対して園児が不足する状況が生じています。

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出典:こども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ(令和7年4月1日)」

こども家庭庁によると、全国の保育所等における定員充足率は、2021年4月の90.9%から2025年4月には88.4%まで低下しました。2025年4月時点の利用定員は約303万人で、前年から1.5万人減少しています。一方、利用児童数は約268万人で、前年から2.7万人減りました。定員の縮小を上回るペースで利用児童数が減っていることが分かります。

都道府県別に見ると、2025年4月時点の定員充足率は神奈川県が95.7%だった一方、山梨県は75.8%で、19.9ポイントの差がありました。同じ都道府県内でも市区町村や年齢区分によって需給は異なりますが、全国平均だけでは把握できない地域差が生じています。

園児数が減少すれば、保護者は複数の園から選びやすくなります。その結果、立地、開園時間、保育内容、職員の対応などによって、希望が集まる園と定員割れが続く園に分かれる可能性があります。

保育士不足で定員まで園児を受け入れられない

入園希望者がいても、配置基準を満たす保育士を確保できなければ、定員まで園児を受け入れられません。受け入れ人数を制限すると委託費や施設型給付費などの収入が減る一方、既存職員や園舎にかかる固定費は残ります。

こども家庭庁「こども誰でも通園制度の本格実施に向けた検討会における取りまとめ概要」によると、2025年4月の保育士の有効求人倍率は2.58倍で、全職種平均の1.18倍を大きく上回りました。このことから、保育現場が深刻な売り手市場に陥っていることがわかります。

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出典:福祉医療機構「2022年度保育所・認定こども園の人材確保および処遇改善に関する調査」

また、福祉医療機構(WAM)が2023年に公表した調査では、回答した保育所・認定こども園の47.9%が、在所児の保育を担当する職員について「不足」と回答しています。

保育士不足が続くと、受け入れ制限だけでなく、既存職員の残業や持ち帰り業務が増え、さらなる離職につながります。採用数だけでなく、定着率や欠員期間、年齢別の配置余力も確認しなければなりません。

人件費が上昇している

保育園では、保育士の採用と定着に向けた賃金改善が進んでおり、施設側が負担する人件費も増加しています。基本給を引き上げれば、賞与だけでなく、社会保険料などの事業主負担も増えるためです。

福祉医療機構(WAM)が融資先施設を対象に実施した調査では、従事者1人当たりの年間人件費が次のように増加しました。

施設形態 2023年度 2024年度 増加額
保育所 439万1,000円 467万6,000円 28万5,000円
幼保連携型認定こども園 430万8,000円 460万5,000円 29万8,000円

※2023年度と2024年度を比較できる同一施設の集計。WAMの融資先が対象で、公立施設は含まない。

出典:福祉医療機構「2024年度 保育所・幼保連携型認定こども園の経営状況について」

2023年度から2024年度にかけて、従事者1人当たり人件費は、保育所で28万5,000円、幼保連携型認定こども園で29万8,000円増加しました。背景には、処遇改善等加算の算定率上昇や、人事院勧告を踏まえた公定価格上の人件費改定があります。

一方、同じ期間に人件費率は、保育所で72.3%から71.6%へ、幼保連携型認定こども園で69.7%から69.5%へ低下しました。2024年度は公定価格の引き上げによって収益も増加したため、人件費の増加を一定程度吸収できたと考えられます。

ただし、公定価格の増額や処遇改善等加算による収入が、すべて園の利益として自由に使えるわけではありません。また、園児数や加算の取得状況によって増収幅は異なります。定員割れが続く園や、紹介会社・派遣職員への依存度が高い園では、人件費や採用関連費の増加が利益と手元資金を圧迫する可能性があるでしょう。

保育園では、人件費率だけでなく、従事者1人当たり人件費、採用費、派遣費、園児1人当たり収入を併せて確認することが重要です。なお、2025年度の人事院勧告と保育園運営への影響については、以下の記事で解説しているので参考にしてみてください。

▶︎令和7年度の人勧はどうなる?保育園運営への影響とは

食材費や光熱費などの運営コストが上昇している

保育園では、給食の食材費や電気・ガス料金など、保育の質や子どもの健康・安全に関わる費用を簡単には削減できません。こうした支出の増加に対して十分な収益を確保できなければ、経営を圧迫する要因になります。

福祉医療機構(WAM)の調査によると、2024年度の保育所では、水道光熱費の実額が前年度から増加しました。一方、水道光熱費率は2.1%で前年度と同水準でした。実額が増えたにもかかわらず比率が横ばいだったのは、公定価格の引き上げなどにより収益も増加したためと分析されています。

また、2024年度の黒字施設と赤字施設を比較すると、赤字施設ほど給食費や水道光熱費の負担割合が高い傾向が見られます。

施設区分・費用項目 黒字施設 赤字施設 差
保育所・経費率 18.7% 20.5% 1.8ポイント
保育所・給食費率 4.5% 5.0% 0.5ポイント
保育所・水道光熱費率 2.0% 2.3% 0.3ポイント
認定こども園・経費率 17.7% 20.5% 2.8ポイント
認定こども園・給食費率 4.6% 5.1% 0.5ポイント
認定こども園・水道光熱費率 2.1% 2.3% 0.3ポイント

※2024年度決算。「比率」はサービス活動収益に対する割合
出典:福祉医療機構「2024年度 保育所・幼保連携型認定こども園の経営状況について」

ただし、費用率の高さだけで赤字の原因を特定することはできません。園児数や利用児童単価が低く、収益を十分に確保できていない場合にも費用率は上昇するためです。実際に同調査では、赤字施設の利用率は90.7%で、黒字施設の97.9%を7.3ポイント下回っています。

食材や光熱費の増加に加えて定員割れが続くと、限られた収益のなかで固定的な運営費を負担しなければなりません。特に、小規模な施設や園児数が減少している施設では、コスト上昇と収益減少が重なり、資金繰りが悪化する可能性があります。

公定価格や加算・補助金の管理が複雑になっている

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認可保育所や認定こども園の収入には、公定価格に基づく給付費や委託費、処遇改善等加算、自治体独自の補助金などが含まれます。制度を適切に活用することは重要ですが、収入区分ごとに算定要件や使途、届出、実績報告が異なるため、管理が複雑になりやすい点に注意が必要です。

必要な研修や職員配置を満たしていない、賃金改善の方法が計画と一致していない、報告書の数字に誤りがあるといった場合には、加算や補助金の返還を求められる可能性があります。また、交付決定や入金が想定より遅れると、一時的に手元資金が不足することもあります。

補助事業を実施する際は、制度終了後も継続できる事業か、立替資金を確保できるか、要件を継続して満たせるかまで確認する必要があります。

経営数値を把握できていない

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法人全体の決算だけを確認していると、どの園や事業が利益を出し、どの部門が赤字なのか分からない場合があります。複数園を運営している法人では、黒字園の資金で赤字園を補填し、問題の発見が遅れることもあるため注意が必要です。

確認すべきなのは売上高だけではありません。園児数、年齢別定員充足率、園児1人当たり収入、人件費率、給食費、採用費、加算収入、借入金返済額、現預金残高などを毎月確認する必要があります。

損益上は黒字でも、補助金の入金前に給与や社会保険料の支払日を迎えれば、資金不足が生じます。試算表と併せて資金繰り表を作成し、数か月先の現金残高を予測することが重要です。

保育所等の経営情報の見える化については、以下の記事も参考にしてください。

▶︎【保育事業者 必見!】「経営情報の見える化」とは?

後継者不在で事業を継続できない

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園の収支に大きな問題がなくても、理事長や経営者の高齢化、健康問題、後継者不在によって事業を継続できなくなる場合があります。特に、行政との協議や資金調達、人材採用を一人の経営者に依存している法人では、突然の病気や退任が運営に直結する可能性がある点には要注意です。

社会福祉法人、学校法人、株式会社では、経営権や法人を引き継ぐ方法が異なります。親族や職員を後継者にする場合も、理事・評議員などの体制整備や行政手続きが必要です。

後継者が決まってから準備するのではなく、候補者の育成、権限移譲、個人保証の整理などを計画的に進めましょう。内部承継が難しい場合は、第三者承継やM&Aも選択肢になります。

▶︎【保育園・幼稚園】理事長・園長の事業承継で引退前に整理しておくべきこと

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倒産リスクが高まっている保育園に見られる前兆

経営悪化は、突然発生するとは限りません。園児数の減少や職員の退職、支払いの遅れなど、複数の兆候が先に現れる場合があります。ここでは、倒産リスクが高まっている保育園に見られる7つの前兆について解説します。

なお、以下の項目に一つ該当しただけで、倒産すると判断することはできません。ただし、複数の兆候が同時に生じ、数か月にわたって改善されない場合は、収支や資金繰りを詳しく確認する必要があります。

定員割れが続いている

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園児数や定員充足率の継続的な低下は、経営悪化を示す代表的な兆候です。園児が減少すれば収入も減りますが、園舎の維持費や園長の人件費などの固定費は同じ割合では下がりません。

一時的な卒園や転居で園児が減ることはありますが、見学件数や入園希望者も減っている場合は注意が必要です。園全体だけでなく、年齢別の定員充足率、問い合わせ数、見学後の入園率、退園理由を毎月確認しましょう。

給与や取引先への支払いが遅れている

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給与、社会保険料、税金、家賃、給食材料費などの支払いが遅れ始めた場合、資金繰りが悪化している可能性があります。給与の支給日が突然変更されたり、賞与が十分な説明なく延期されたりした場合も注意が必要です。

一度の遅延だけで倒産とは判断できません。しかし、給与遅配や税・社会保険料の滞納が続くと、職員や取引先からの信用を失います。金融機関からの資金調達やM&Aにも影響するため、早急な対応が必要です。

保育士や園長の退職が続いている

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保育士の退職が続けば、配置基準を満たせず、園児の受け入れを制限せざるを得ない場合があります。残った職員の負担が増え、さらに退職者が出る悪循環にもつながるでしょう。

特に、園長、主任保育士、看護師、栄養士など、園の運営や加算の算定に関わる職員の退職には注意が必要です。退職者数だけでなく、欠勤の増加、求人への応募状況、派遣職員への依存度なども確認しましょう。

必要な修繕や備品購入が先送りされている

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空調、調理設備、遊具、防犯設備、園舎などの修繕が繰り返し延期されている場合、設備投資に回す資金が不足している可能性があります。衛生用品や教材など、日常的な備品の購入が過度に制限されている状態にも注意が必要です。

修繕の先送りは、事故や保育の停止につながるおそれがあります。単に設備が古いかどうかではなく、安全上必要な修繕を資金不足によって実施できない状態になっていないかを確認することが重要です。

過度なコスト削減が行われている

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経営改善にコスト削減は必要ですが、必要な職員配置や給食、衛生管理、研修まで削減すると、保育の質と安全性を損ないます。

人員をぎりぎりまで減らす、必要な研修を中止する、食材や消耗品の品質を極端に下げるといった対応が続けば、職員の退職や保護者からの苦情につながります。短期的に支出を減らせても、園児と職員が離れれば、中長期的には収益をさらに悪化させるでしょう。

保護者からの苦情や退園が増えている

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保護者からの苦情や途中退園が増えている場合、職員体制や保育の質に問題が生じている可能性があります。説明不足、連絡ミス、職員の対応、給食、安全管理など、苦情の内容を分類して確認することが重要です。

同じ苦情が繰り返されると、口コミや地域での評判にも影響します。苦情件数だけでなく、対応までの時間や再発の有無、退園理由を記録し、個人の問題ではなく組織全体の業務として改善しましょう。

経営情報や方針が職員に共有されなくなっている

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経営悪化が進むと、経営者が職員への情報共有を避け、方針や人事が突然変更される場合があります。予算が示されない、採用計画が頻繁に変わる、質問しても明確な回答がないといった状態には注意が必要です。

ただし、M&Aの交渉など、秘密保持が必要な段階で情報を制限することもあります。情報が少ないことだけで経営悪化とは判断せず、日常の意思決定や説明責任まで機能しなくなっていないかを確認しましょう。

運営会社が倒産すると園児・保護者・職員はどうなる?

運営会社が倒産しても、保育園が必ず即日閉園するわけではありません。法的整理の方法や自治体の対応、承継先の有無によって、その後の運営は異なります。特に認可保育所は地域の保育基盤であり、突然の閉園が多くの家庭へ影響するため、自治体や別法人との調整によって運営継続が図られる場合があります。

園児は転園が必要になる可能性がある

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園の運営を継続できない場合、園児は別の保育園へ転園する必要があります。ただし、近隣園に十分な空きがあるとは限らず、きょうだいが別々の園になる、送迎距離が延びるといった問題が生じる可能性もあります。

一方、別法人への事業譲渡や運営主体の変更が実現すれば、同じ園舎で保育を継続できる場合があります。園名や保育方針、職員体制が変わる可能性はあるものの、園児の環境変化を抑えやすくなるでしょう。

保護者は自治体と保育園からの情報を確認する

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閉園や運営法人の変更が発表された場合、保護者は園からの説明だけでなく、市区町村の保育担当窓口からの案内も確認しましょう。認可園と認可外保育施設では、自治体が関与できる範囲や転園手続きが異なります。

確認したいのは、閉園予定日、保育の継続期間、転園申請の方法、保育料や給食費の精算、預けている物品や個人情報の取り扱いなどです。情報が錯綜することもあるため、SNS上の未確認情報だけで判断せず、園と自治体の正式な発表を確認する必要があります。

保育士や職員は雇用を失う可能性がある

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破産によって園が閉鎖されれば、保育士や職員は雇用を失う可能性があります。未払い賃金や退職金がある場合は、倒産手続きのなかで請求するほか、要件を満たせば国の未払賃金立替払制度を利用できる場合がある点は知っておきましょう。

別法人が園を承継する場合は、職員の雇用も引き継がれる可能性があります。ただし、事業譲渡では雇用契約が自動的に移るわけではなく、職員本人の同意や新しい運営法人との雇用契約が必要です。給与、勤務地、勤続年数、有給休暇などの条件を確認しましょう。

保育園の倒産を防ぐための経営改善策

倒産を防ぐには、園児募集だけでなく、資金繰り、人材、加算、業務効率などを総合的に見直す必要があります。問題が深刻化してからでは実行できる対策が限られるため、定員割れや資金減少が始まった段階で改善に着手しましょう。ここでは、保育園の倒産を防ぐための主な6つの経営改善策について解説します。

園児数・定員充足率・収支を毎月確認する

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月次試算表を早期に作成し、園児数、定員充足率、園児1人当たり収入、人件費率、加算収入、現預金残高を毎月確認します。複数園を運営している場合は、法人全体だけでなく園別の収支も把握しましょう。

定員充足率は、園全体の平均だけでなく年齢別に確認することが重要です。さらに、見学件数、入園率、退園数なども記録すると、園児減少の原因を特定しやすくなります。資金繰り表では、少なくとも3か月先、可能であれば6か月先までの入出金を予測します。

地域ニーズに合わせて保育サービスを見直す

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一時預かり、延長保育、病児・病後児保育、子育て相談、発達支援など、地域の保護者が必要とするサービスを提供できれば、園の役割を広げることが可能です。2026年度に全国実施される「こども誰でも通園制度」も、地域の子育て家庭と接点をつくる機会になり得ます。

ただし、新しいサービスを増やせば必ず収益が改善するわけではありません。必要な人員配置や設備投資、補助金の要件、利用見込みを確認し、導入前に採算を試算しましょう。自治体の子ども・子育て支援事業計画や人口推計も判断材料になります。

保育士の採用と定着に取り組む

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保育士を確保するには、給与だけでなく業務量、休暇の取りやすさ、シフト、職場内の人間関係などを見直す必要があります。退職者への聞き取りや職員アンケートを実施し、離職理由を把握しましょう。

人事評価制度とキャリアパスを整備し、評価基準や昇給条件を明確にすることも重要です。園内研修や資格取得支援を行い、主任・園長などの管理職候補を計画的に育成すれば、将来の後継者不足にも備えられます。保育園のための人事評価制度やキャリアパスについては、以下の記事を参考にしてみてください。

▶︎保育園のための人事評価制度とキャリアパス

処遇改善等加算を活用する場合は、支給方法や評価制度について職員へ丁寧に説明し、不公平感が生じない運用を心がけましょう。

ICTを活用して業務負担を減らす

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登降園管理、保護者への連絡、保育記録、写真共有、シフト・勤怠管理、請求・加算管理などをICT化すれば、職員の事務負担を減らせる可能性があります。

ただし、システムを導入するだけでは業務効率は改善しません。紙とシステムへの二重入力が残ったり、複数のシステムへ同じ情報を入力したりすると、かえって負担が増えます。導入前に現在の業務を整理し、削減できる作業を明確にしましょう。

保育施設におけるICT化については、以下の記事でも詳しく解説しています。

▶︎保育業界にICT化は馴染まない?保育施設におけるICT化の現状と導入方法

処遇改善等加算や補助制度を適切に活用する

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処遇改善等加算や自治体の補助制度を適切に活用すれば、人材確保や設備整備に必要な財源を確保できます。まず、自園が取得できる加算、必要な職員配置、研修、賃金改善の要件を洗い出しましょう。

申請時だけでなく、実績報告まで見据えた管理が必要です。給与台帳、勤務実績、職員への配分額、計画書、実績報告書を照合し、算定根拠を説明できる状態にします。担当者一人に任せず、園長や経理担当者が確認する仕組みも重要です。

処遇改善等加算については、以下の記事も参考にしてみてください。

▶︎処遇改善等加算に関するFAQ(よくある質問)の解説

▶︎あなたの園は大丈夫?処遇改善等加算に係る給与計算の注意点

▶︎【令和7年度】処遇改善等加算実績報告書の記入方法~様式6の書き方を解説~

金融機関や専門家へ早めに相談する

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給与遅配や税金の滞納が発生してからでは、追加融資やM&Aの選択肢が限られます。数か月先の資金繰りに不安が生じた段階で、金融機関、税理士、社会保険労務士、経営支援の専門家へ相談しましょう。

相談時には、月次試算表、資金繰り表、借入金一覧、園児数、定員充足率、職員配置、改善計画を準備します。赤字の理由と改善策を数値で説明できれば、融資や返済条件の変更について具体的な協議を進めやすくなります。

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自力での事業継続が難しい場合はM&Aも選択肢になる

経営改善を進めても自力での継続が難しい場合は、廃業だけでなく、第三者への事業承継も選択肢の一つです。ここでは、保育園の事業売却・M&Aについて解説します。

なお、保育園の事業売却については、以下の記事もあわせて参考にしてみてください。

▶︎事業売却を考える保育園経営者必見!こども家庭庁による「合併・譲渡ガイドライン」のポイント総まとめ

廃業とM&Aでは園児や職員への影響が異なる

廃業とM&Aでは、園児、保護者、職員などへの影響が異なります。主な違いは次のとおりです。

比較項目 廃業 M&A・事業譲渡
園児 転園が必要になる可能性がある 同じ園へ通い続けられる可能性がある
保護者 転園先探しや送迎方法の変更が必要になる場合がある 運営方針の変更はあり得るが、環境変化を抑えられる可能性がある
職員 雇用契約が終了する可能性がある 条件が合えば雇用を継続できる
取引先 契約終了や債権回収の問題が生じる 契約を継続できる場合がある
経営者 廃業費用や原状回復費が発生する 譲渡対価を受け取れる可能性がある
保育事業 原則として終了する 新しい運営主体のもとで継続できる可能性がある

廃業すると保育事業そのものが終了するため、園児は転園、職員は転職が必要になる可能性があります。一方、M&Aでは運営法人が変わっても、園の運営や職員の雇用を継続できる場合があります。ただし、保育方針や雇用条件などが必ず維持されるとは限らないため、譲渡条件を事前に調整することが重要です。

M&Aなら園児の受け入れと職員の雇用を継続できる可能性がある

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M&Aによって園の運営が引き継がれれば、園児が慣れた園舎へ通い続けられる可能性があります。保護者にとっても、急な転園先探しや送迎方法の変更を避けやすくなる点は大きなメリットです。

経験のある保育士や園長は、買い手にとって重要な経営資源です。職員の雇用を維持できれば、園児と職員の関係を残しながら運営を継続できます。ただし、事業譲渡では雇用契約が自動的に移転しないため、職員本人の同意と条件調整が必要です。

赤字や債務超過の保育園でも売却できる可能性がある

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赤字だからといって、必ずしも保育園を売却できないわけではありません。買い手は現在の利益だけでなく、認可の状況、立地、定員充足率、職員体制、園舎、地域ニーズなどを総合的に評価します。

複数園を運営する買い手であれば、採用や給食、備品購入、本部業務などを共通化し、単独では赤字の園を改善できる場合があります。一方、未払い賃金、補助金の返還、行政処分、簿外債務などがあると、売却の難易度は高まります。経営上の問題を隠さず、早い段階で情報を整理することが重要です。

保育園のM&Aを検討するタイミング

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M&Aは、資金が完全に尽きてから検討するものではありません。買い手候補の探索、条件交渉、財務・労務調査、自治体との調整には一定の期間がかかります。

園児数の減少が続いている、数か月先の資金繰りに不安がある、保育士の確保が難しい、設備更新資金がない、後継者が見つからないといった段階で、自力再建とM&Aを比較しましょう。園児や職員、資金が残っているうちほど、承継方法や相手を検討する時間を確保しやすくなります。

保育園をM&Aで譲渡する際の注意点

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認可保育所、認定こども園、小規模保育事業、企業主導型保育施設、認可外保育施設では、必要な手続きが異なります。法人や株式を引き継ぐ方法と、保育事業だけを譲渡する方法でも、認可、契約、資産・負債、雇用の扱いが変わる点には注意が必要です。

自治体への事前相談、補助金・委託費の返還条件、土地・建物の権利関係、賃貸借契約、職員の雇用条件などを確認しましょう。園児の個人情報や保育記録を適切に引き継ぎ、保護者と職員へ説明する時期や方法も慎重に決める必要があります。

保育施設のM&Aの詳しいポイントについては、以下の記事も参考にしてみてください。

▶︎保育園・こども園・幼稚園のM&Aで押さえておきたいポイントとは

保育園M&Aの成約事例|11年間運営したインターナショナルスクールを持分譲渡した事例

都内で認可外保育園にあたるインターナショナルスクールを11年間運営してきたA様は、利用者数の減少をきっかけにM&Aを検討しました。これまでにも利用者数が落ち込む局面を経験し、そのたびに経営を立て直してきましたが、少子化による子どもの減少や施設の供給過多を踏まえ、このまま事業を続けることに強い不安を感じていたといいます。

廃業も選択肢に入る状況でしたが、A様には、幼少期から自然に英語を身につけられる環境を提供したいという思いがありました。そのため、単に園を閉じるのではなく、11年間にわたって築いてきた教育環境や事業を将来へ残す方法として、持分譲渡を選択しました。

買い手との面談では、A様が譲渡後も引き続き運営に関わることや、従業員の体制をできるだけ維持したいという希望を伝えています。買い手がこれらの意向を前向きに受け入れ、従来の教育方針や運営方法を尊重する姿勢を示したことが、譲渡を決める大きな理由になりました。

譲渡後もA様は現場の運営を担当し、買い手がマーケティングや利用者獲得などの経営面を担っています。さらに、従来の運営方法を基礎として、インターナショナルスクールのブランドを広げる構想も示されています。経営者一人では対応しにくかった課題を買い手の経営資源で補いながら、園児の保育・教育環境と職員の雇用を継続できたM&A事例です。

▶︎これまで積み上げてきた事業の火を消したくない!守りたい想いを未来へつなぐM&A

この他の事例については、以下のページを参考にしてみてください。

▶︎成約事例一覧

▶︎お客様インタビュー

保育園の倒産に関するよくある質問

保育園の倒産に関するよくある質問とその回答を紹介します。

認可保育園でも倒産することはある?

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認可保育園でも、運営法人が経営難に陥り、倒産や閉園に至る可能性はあります。認可は、施設や職員配置などが基準を満たしていることを示すもので、運営法人の将来的な支払能力を保証する制度ではありません。

ただし、認可保育園は地域の保育基盤であるため、自治体や他法人との調整により、運営主体を変更して保育を継続する場合があります。

保育園が倒産したらすぐに閉園する?

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倒産したからといって、保育園が必ず即日閉園するわけではありません。破産、民事再生などの法的整理の方法、自治体の対応、承継先の有無によって異なります。

他法人への事業譲渡やスポンサー支援が実現すれば、園の運営を継続できる場合もあります。一方、資金や職員を確保できず、短期間で閉園するケースもあるため、園と自治体からの正式な情報を確認してください。

勤務先の会社が倒産したら子どもは保育園を退園になる?

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保護者の勤務先が倒産して失業しても、子どもが直ちに保育園を退園になるとは限りません。子ども・子育て支援制度では、求職活動も「保育を必要とする事由」の一つに含まれます。

ただし、求職活動を理由に継続利用できる期間や必要書類は自治体によって異なります。勤務先の倒産や退職が決まったら、市区町村の保育担当窓口へ早めに相談しましょう。

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赤字の保育園でも事業譲渡できる?

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赤字の保育園でも、買い手が見つかれば事業譲渡できる可能性があります。認可、立地、定員充足率、職員体制、園舎、地域ニーズなども評価対象になるためです。

ただし、行政処分、補助金返還、未払い賃金などの問題は交渉に影響します。園児や職員、運転資金が失われるほど事業価値は低下しやすいため、経営状態が深刻化する前に相談することが重要です。

全国の保育園の赤字率は?

帝国データバンクの調査によると、2024年度に赤字だった保育園運営事業者の割合は23.8%でした。また、前年度から減益となった事業者が21.3%を占めており、赤字と減益を合わせた「業績悪化」の割合は45.1%に上ります。

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出典:帝国データバンク「『保育園』の倒産・休廃業解散動向(2025年)」

なお、23.8%は全国すべての認可保育所・認可外保育施設を網羅した赤字率ではありません。帝国データバンクが把握した保育園運営事業者の当期純損益に基づく集計であるため、調査対象によって赤字率が異なる点には注意が必要です。

待機児童数がワースト1位はどこ?

2025年4月1日時点の都道府県別集計では、東京都の待機児童数が339人で最多です。ただし、東京都は子どもの数や保育サービス利用者数も多いため、待機児童数だけで保育環境の良し悪しを判断することはできません。

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出典:こども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ(令和7年4月1日)」

また、市区町村別では地域の状況が異なります。こども家庭庁によると、同日時点で待機児童が100人以上の市区町村は全国で一つでした。待機児童数は毎年変わるため、最新のこども家庭庁や自治体の資料を確認する必要があります。

まとめ

2025年に倒産または休廃業・解散した保育園運営事業者は46件に達し、過去最多となりました。倒産は14件で前年から倍増し、休廃業・解散も32件に増えています。

背景には、少子化による園児数の減少、地域による施設の余剰、保育士不足、人件費や食材費の上昇、複雑な加算・補助金管理などがあります。倒産を防ぐには、定員充足率や資金繰りを毎月確認し、人材定着、ICT化、加算の適正管理などを早期に進めることが重要です。

自力での改善が難しい場合は、廃業だけでなくM&Aも選択肢になります。M&Aによって運営を引き継げれば、園児の保育環境や職員の雇用、地域の保育機能を維持できる可能性があります。資金繰りや後継者に不安がある場合は、選択肢が残っている段階で、保育業界に詳しい「保育M&A支援センター」へご相談ください。

ライター紹介
太田丈史
太田 丈史
ブティックス株式会社 M&A事業 副事業部長
エグゼクティブコンサルタント

ブティックス(株)へ入社後、介護用品通販ショップの運営責任者、有料老人ホームの入居者紹介事業の責任者を歴任。その後、CareTEXの立ち上げメンバーとして、様々な業界ニーズのマッチングに着手。
2015年にはM&A事業を立ち上げ、10年間で120件の成約実績を有する。