【令和7年度】処遇改善等加算実績報告書の記入方法
~様式6の書き方を解説~
令和7年度から処遇改善等加算が一本化されました。制度変更により実績報告書の様式も変わり、記入方法に悩まれている方も多いと思います。
今回は、こども家庭庁が示す様式の記入方法について、ポイントを絞って解説します。(以下、記事内の年度表記は、令和7年度の実績報告を行うことを前提として記載しています)
1.【様式6】実績報告書(1)加算額以上の賃金改善について

① 加算額
加算額については、区分2及び区分3も「公定価格の当初単価」での年額を記載します。※「改定後の単価」ではないことにご注意ください。
② 加算による改善等実績総額(①の額以上であること)
「加算による改善等実績総額(①の額以上であること)」は自動計算されるため、入力は不要です。「うち、加算による改善実績総額」は「【様式6】別添1賃金改善明細書(職員別)」から自動転記のため、入力は不要です。「うち、事業主負担増加総額」には、区分2及び区分3を処遇改善に充てたことにより増加した社会保険料を記載します。「事業主負担増加総額」については、下記が原則の計算式となります。
〇「事業主負担増加見込総額」
各職員について「加算による改善見込額」に応じて増加することが見込まれる 法定福利費等の事業主負担分の額を合算して得た額をいい、次の<算式>により 算定することを標準とする。
<算式>
「加算前年度における法定福利費等の事業主負担分の総額」÷「加算前年度における賃金の総額」×「加算当年度の加算による改善見込額」
2. 施設独自の改善額について

「施設独自の賃金改善額の具体的な取組内容」
「施設独自の賃金改善額の具体的な取組内容」には、基準年度において、処遇改善等加算及び人件費改定相当分、定期昇給分を超えて施設独自に実施した賃金改善の内容を記載します。
例:通常の賞与が2か月分のところ、基準年度では2.5か月分支給した等
「施設独自の賃金改善額の算定根拠」
「施設独自の賃金改善額の算定根拠」については、施設独自の取組による改善額の計算根拠を記載します。
例:常勤職員20名に対し、0.5か月分の賞与を増額した場合
常勤職員20名の月額基本給総額500万円×0.5か月=250万円
3.【様式6】別添1賃金改善明細書(職員別)加算当年度の賃金

⑧加算当年度の支払賃金の総額
⑧加算当年度の支払賃金の総額については、令和7年度の支給総額から住居手当、通勤手当、扶養手当など個人的な事情に基づいて支給されるものを除いた金額を記載します。遅刻・早退・欠勤控除の取り扱いについては、自治体にご相談ください。
また、令和6年度には在籍していたものの、令和7年度には在籍していない職員については記載しません。
⑨の内訳a~c
⑨の内訳a~cについては、区分2を使用して支給した基本給及び手当、賞与の年額を記載します。
⑩
⑩については、区分3を使用して支給した金額の年額を記載します。毎月の手当だけではなく、法定福利費分の残額を年度内に支給している施設は、その一時金分も含めて記載します。

※一時金も含めて記載すると、【様式6】別添1内の計算式との間で齟齬が生じますが、現時点では一時金として支給したことを示す方法がありません。
⑪定期昇給相当額
⑪定期昇給相当額については、基準年度(令和6年度)の給与規程をそのまま適用した場合の定期昇給年額(月給分のみ)を記載します。令和7年度にベースアップを行い、給与規程を変更している施設はベースアップを行った後の昇給額を記載するものではないことに、注意が必要です。
⑫基準翌年度から加算当年度までの公定価格における人件費の改定部分
⑫基準翌年度から加算当年度までの公定価格における人件費の改定部分については、令和7年度分の人勧分(5.3%)の配分額について記載します。人勧分の総額を記載するのではなく「配分額」の記載となりますので、人勧分の総額から社会保険料相当額を除いた金額を記載する点にご注意ください。
⑬加算当年度の前年度に支払うべき残額に対応した支払い賃金額
⑬加算当年度の前年度に支払うべき残額に対応した支払い賃金額については、令和7年度に支払った賃金の中に、令和6年度に支給すべきだった残額が含まれている場合に記載します。
⑭超過勤務手当等に係る調整額
⑭超過勤務手当等に係る調整額については、令和7年度の超過勤務手当が令和6年度と比べて減少している場合はプラスの値、増加している場合はマイナスの値を入力します。
備考欄については、年度途中の採用・退職・休職、賃金改善額が他の職員と比べて著しく高額または低額である場合(賃金改善を実施しない場合を含む)についてはその理由を記載します。
4.【様式6】別添1賃金改善明細書(職員別)基準年度の賃金

① 基準年度の支払賃金の総額
①基準年度の支払賃金の総額については、令和6年度の支給総額から住居手当、通勤手当、扶養手当など個人的な事情に基づいて支給されるものを除いた金額を記載します。遅刻・早退・欠勤控除の取り扱いや、在籍していない職員の取り扱いについては、加算当年度と同様です。
加算当年度に休職期間があり、基準年度には休職期間がない職員については、加算当年度の休職期間と同じ休職期間が基準年度にもあった場合の賃金を計算し、調整した金額を入力します。休職期間の有無が逆の場合も、同様に調整して記載します。
令和6年度には在籍しておらず、令和7年度から在籍している職員については、加算当年度と同額を基準年度に記載します。
②基準年度の処遇改善等加算の加算額
②基準年度の処遇改善等加算の加算額については、令和6年度の旧処遇Ⅰ・旧処遇Ⅱ・旧処遇Ⅲの総額を記載します。
基準年度に同一事業所内で処遇改善等加算を拠出・受入を行っている場合は、令和6年度の旧処遇Ⅰ・旧処遇Ⅱ・旧処遇Ⅲの総額に対し、調整を行った金額を加算または減算し記載します。
③基準年度の処遇改善等加算の加算額に係る法定福利費分
③基準年度の処遇改善等加算の加算額に係る法定福利費分については、②に対応した法定福利費分を記載します。②が500万円の場合で法定福利費率が15%の施設の場合は、500万円÷1.15≒4,347,826円となり4,347,826円支給の場合の法定福利費が652,174円となりますので、③には652,174円を記載します。
④ 施設独自の改善額
④施設独自の改善額については、先述の「2.施設独自の改善額について」で求めた金額を記載します。
⑤基準年度の前年度に支払うべき残額に対応した支払い賃金額
⑤基準年度の前年度に支払うべき残額に対応した支払い賃金額については、令和6年度に令和5年度分の処遇改善残額を支払った場合にその金額を記載します。
⑥基準年度に支払うべき残額に対応した翌年度の賃金額
⑥基準年度に支払うべき残額に対応した翌年度の賃金額は、先述の「⑬加算当年度の前年度に支払うべき残額に対応した支払い賃金額について」と同じ金額を記載します。
⑦
⑦については、自動計算されるため記載不要です。⑦の内訳については、令和6年度に人勧分(10.7%)として支給した総額を記載します。
まとめ
自治体の中にはこども家庭庁が示している様式ではなく、独自の様式を作成している自治体もあります。その場合は自治体の様式の要領に沿って記載を進めてください。
また、「施設型給付費等に係る処遇改善等加算について」(令和8年4月8日付け通知)、処遇改善等加算に関するFAQ(よくある質問)(第7版)に記載されていない疑問点も、現時点では多くあります。記載方法に悩まれた場合は、法人内や自治体の担当者に相談し、一人で抱え込まずに実績報告を進めていただければ幸いです。
